川畑会長挨拶 |
発起人一同の予測を上回る160名余の入会者の下、第1回総会を開催するに至りましたことをこの上なく嬉しく感じている次第であります。 本年4月の臨時総会において松ヶ崎色染会の解散が決議されましたが、私なりの解釈では「解散止む無きか」と判断しておりました。その理由は以下の通りです。 学内の機構改革も含め先生方が多忙(学内幹事による会運営事務の遂行困難) 色染科卒業の先生の数も減少した 新規卒業生の入会が見込めない 会員の総会:イベント等への協力が低調 通信費、参加経費が掛かる割には会費の納入が少ない 名簿の維持管理が煩雑 しかし母校の創立60年の歴史ある校風と伝統、京都高等工芸学校から数えれば100年以上の「色染」の灯を消す事はOB会の本来の意義に反すると考えます。折しも臨時総会の席上、多くの出席者から「学内の先生方には負担をかけず、入会希望者のみで同窓会を発足する」という案が提案されました。後日、有志の方々が集まられ,新規再出発の方向で会合が持たれたようであり、これまでの経緯を熟知し経験のある年長の方に会長を依頼すべきとの結論に至った様です。 外野席で静観していました私が会長に推薦されるとは予想もしておりませんでした。過去KIT同窓会の理事、松ヶ崎色染会の幹事を務めたことが私に声が掛かった理由でしょうか。辞退を申し入れたのでありますが、私に代わる方を推薦しなければと、先輩、同輩の何人かに打診しましたが、皆さんに固辞され、逆に私にその任務を引き受けるよう口説かれる結果となりました。そのような経緯から1期2年を限度に再出発のためのお手伝いを非才でありますがお受けした次第であります。 同窓会存続の意義は青春時代のノスタルジアではありません。母校への感謝と共に有形無形の支援、先輩後輩のタテの繋がりを強化し連帯感を育む等の目的が大きいと思います。特に本校は卒業生の数が少なく専門的な協力が必要と思います。戦後我が国の復興と繊維産業振興に大きく寄与し、世界的水準に達する業績を残せたのは、我々卒業生の頑張りと協力だったと云っても過言ではないでしょう。 本年7月のKIT同窓会総会において京工大会と衣笠会が一本化した事は喜ばしい事です。総会の席上、江島学長に新同窓会の発足をお伝えしましたところ、祝福いただき、本日お言葉を頂戴できる事になりました。卒業生の絆、心の拠りどころとしての新同窓会へのご支援を心からお願いいたします。 KIT同窓会とはホームページを活用し連携を密にします。 機織科同窓会の活動も活発で、今回新しく本会設立に際し助言を頂きました。窯業科同窓会、旧繊維学部同窓会とも連携を図りたいと考えております。 繊維関連業界全体の活性化も含めヨコの連携も密にしなければならないと思っています。 今日、日本での繊維関連の教育研究が行われている大学は少なく、本校と信州大学が双璧かと思います。両校はスポーツ等の定期交流戦も実施されてきたと聞いています。繊維関連の業界ではこの2校の卒業生が中心的役割を果たしてきたと思います。過日ある会合で信州大学OBの重鎮で、長野県の名士でもある村山守生様にお会いしました。私が新同窓会の会長を引き受けねばならないかもとお話した所、大いに賛同して頂きました。今後は信州大学同窓会とも交流を図りたく存じます。本日来賓として一言お祝辞を頂戴する予定であります。 会の名称を考えるとき新規再出発の意味から、新しい名称が好ましいのではないかと思われました。現在のところ物質工学科卒業生の会員は2名あるのみですが、新発足の本会では物質工学科の卒業生有志の方々にも改めて入会を呼びかけたいと思っています。今回は「色染物質会」を提案していますが、併せて会のニックネーム(略称)も検討して頂き通常はニックネームで表現したいと思います。 運営に関しては会員相互の親睦を中心に考えていますので、旧色染会で行われていたような学術的講演会や対外的事業等の企画は予定していません。総会、通信費、会誌発行、等の経費は会費を徴収し賄います。会誌に代わるホームページを新しく創設し、経費節減に努めます。これらの活動に関する作業は学外会員、特に現役卒業の役員が、手作り、ボランティア精神で行う事にしています。しかし、最小限の経費は必要ですので少額の年会費を納入して頂きますようお願いします。 本会を会員皆様方の協力によって有意義な会にしたいものです。今後は現役の方を含め、若手の人達を中心として活動、運営が進められるよう期待しています。 最後に、今年は特別の猛暑の中、準備委員の皆さんがボランティアとして数回に亘り会合、討議を重ねられ、特に事務局の方々に大きな負担をおかけしました事を会員一同を代表してお礼申しあげます。 (川畑会長は当日体調を崩され緊急入院され佐藤副会長が要旨を代読されました) 川畑会長略歴 昭和31年卒 KIT同窓会幹事 |